AU Microscopii (AU Mic)は、けんびきょう座の方向約32.3光年先にある恒星です。M1型に分類される赤色矮星で、見かけの等級は8.7、表面温度は3730 Kです。半径は太陽の約0.57倍で、年齢は太陽より約150倍若く2000万年から3000万年と推測されています。この星は非常に若く、自身の重力で内側に引かれ圧縮される際に発生する熱によって光を放出しています。太陽のような水素の核融合によるエネルギーは、10%未満しかありません。
円盤の中を移動する塵の塊が追跡されてきましたが、TESSとスピッツァー宇宙望遠鏡によってこの塵円盤の中から惑星が発見されたと2020年6月に発表されました。それがAU Mic bです。AU Mic b は主星から約0.07 AUの軌道を約8.46日で公転しています。半径は木星の約0.4倍で、質量は木星の約0.18倍です。
AU Micのような星の惑星の検出は特に難しいとされています。というのは、このような星は強い磁場をもち、太陽黒点のような冷たく暗く磁気の強い領域である恒星黒点に覆われていることがあり、この恒星黒点は頻繁に強力なフレアを発生します。実際、TESSがAU Micを観測していた2018年7月から8月にも多数のフレアが発生し、その中にはこれまでに太陽で観測された最も強いフレアよりも強力なものもありました。研究チームは、これらの影響をデータから取り除く詳細な分析を行い、AU Mic bの発見に至りました。
Size of AU Mic & AU Mic b in comparison with our Solar SystemHabitable zone calculated based on Kopparapu et al.(2013) around the star AU MicImaginary Picture of AU Mic b (Fuka Takagi & Yosuke A. Yamashiki)
(2) Yosuke A. Yamashiki, H. Maehara, Vladimir Airapetian, Yuta Notsu, Tatsuhiko Sato et al. Impact of Stellar Superflares on Planetary Habitability, The Astrophysical Journal, Volume 881, Number 2 https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ab2a71/meta
TOI-1338はがか座の方向1300光年先にある連星系で、質量は主星は太陽の1.1倍程度、伴星は太陽の1/3程度、約15日の周期で互いの周りを回っている。主星については、半径は太陽の3倍程度あるが表面温度は5723Kと太陽と同程度であり、スペクトル型はG4、見かけの等級は11.5、絶対等級は3.5である。名前のTOIというのはTESS Object of Interestの頭文字を取ったもので、系外惑星探査衛星TESSが探査した恒星や惑星を意味する。TOI-1338bの発見により、TOI-1338はTESSが発見した初の周連星惑星をもつ連星となった。
TOI-700 dの半径は、1.19地球半径であり、質量はまだ計測されていないが、EXOKyotoの質量推定モジュールを利用すると、2.26地球質量と推定される。太陽系からの距離は101光年で、恒星TOI-700から0.16天文単位、ちょうどKopparapu et al.2013の暴走温室限界のすぐ外側の軌道を37日で公転する。想像図では、潮汐ロックされており、片面が植物で覆われている姿を描いた。