太陽系内惑星居住に向けて

「火星のテラフォーミングについて」

 火星のテラフォーミングについては、古くから議論されてきましたが、現在再び火星への移住という「目標」が現実に掲げられるに至って再度真剣に議論されるようになってきました。

テラフォーミングを考えてゆく上でいくつかの段階があると思います。まずはそれを行うべきか?行う価値があるか?という議論の段階、「惑星防疫」の問題も議論されるべきでしょう。バクテリアを含む生物を地球から火星に持ち込んで良いのか?

 それとほぼ同時に、「実現が可能かどうか」を考えねばなりません。テラフォーミングが実現可能になるかどうかの鍵は「大気圧」と「水」、そして「植物」でしょう。そもそも火星に液体の水を実現するための十分な大気圧を実現させるだけの揮発性物質(大気)があるのか?そして、「水」は十分にあるのか?それによって表面環境を変えることができるのか?また、地球に存在する「磁気圏」が太陽風から地球大気を守っていますが、火星には磁場がありません。さらに、大気圧と液体の水が実現すれば、地球からの「植物」が育つのか?仮にそれが可能だとしても、一体どのような技術でどれくらいの時間と費用がかかるのか?

 そして、それらを議論するのと並行して、火星への居住、というステージが始まるでしょう。それは、小規模のコロニーから始まるでしょうが、一定規模の人口を維持するためのシステムの構築が必要です。食料もエネルギーも自給自足しなければなりませんし、そのためには何が必要か?そしてその向こうには、「火星都市」の建設について議論が始まるかもしれません。

そして、そのためには、以下の「重力」に関する議論も避けて通れません。

(山敷庸亮)

ルナグラス外観(大野琢也 作)

「人類の恒常的な宇宙進出に向けて」

人類が宇宙空間や、月、火星に住む日は目前に迫っています。研究者、旅行者が恒常的に宇宙に住む時代には、それを支えるメンテナンス・スタッフや、ホテルなどのサービス・スタッフも常駐する必要が出てきます。駐在が長期化すれば、そのご家族も滞在することとなるでしょう。つまり、その頃には“一般家庭”が宇宙で暮らす時代になっているはずです。

ところで、人間やその他の生物が暮らすために必須であるにも関わらず、地球からは決して持って行けないものがあります。それは、地球の重力(1G)です。重力がないと、哺乳類はうまく誕生することができない可能性があります。また、誕生できても低重力では正常な発育は望めないでしょう。血液を作り出す骨の健康が損なわれ、血液の健全性にも影響するともいわれています。低重力の弊害は、動物に限らず植物でも同じかもしれません。また、低重力下で成長すると、地球では自力では立てない体になります。つまり、脚力の弱い「月面人」、「火星人」を生むことになりそうです。これは将来、コミュニティの希薄化を生み、ひいては紛争の原因になるかもしれません。遠い将来は別としても、今いきなり『低』重力下に住むのは、人類にとって危険過ぎると考えています。

そこで、我々は宇宙空間や月面、火星面において地球環境に近い重力を発生する、回転を利用した「人工重力」施設と施設間の交通機関、さらに天体間を結ぶ「人工重力」移動施設が有用であると考えています。普段はそうした施設で暮らすようにし、仕事や研究、レジャーを行う時にだけ、月や火星ならではの低重力、宇宙空間での微小重力を楽しむようにできれば良いと考えます。この施設によって、人類は安心して子供を産み、いつでも地球に帰還できる身体の維持が可能となります。“宇宙でも人類には重力1Gが不可欠”という認識の下、我々は人類の宇宙進出を支える、「人工重力ネットワーク」を提案いたします。

(大野琢也)

ルナグラス間交通軌道(大野琢也 作)
ルナグラス内観(大野琢也 作)

マースグラス外観(大野琢也 作)

宇宙劇場(大野琢也 作)