月: 2021年10月

GJ 9827 c

(Imaginary Picture of GJ9827 c: 滋賀県立守山中学高等学校 ハビタブル研究会 渡邉由渚)

GJ9827(別名K2-135)は地球から約100光年離れたK6型星(表面温度4255K, 質量・半径共に太陽の約0.7倍程度)で、K2ミッション(ケプラー宇宙望遠鏡の第二期ミッション)によるトランジット法惑星探査が実施されました。その結果、この恒星の周りには3つのスーパーアース(地球の数倍程度の質量・半径の惑星)が周回していることが、2018年2月に出版のAstronomical Journal誌で報告されました。この3つのスーパーアース(中心星に近い方からGJ9827b, GJ9827c, GJ9827d)は、半径は地球の1.62倍, 1.27倍, 2.07倍で、中心星の周りを周回する軌道周期は1.2日, 3.6 日, 6.2日という値です。

この惑星系は地球から約100光年という距離にあり、現在(論文出版時の2018年2月)までにK2ミッションで発見されたスーパーアースの中では最も近い惑星となっています。そのこと、数年後に打ち上げ予定のJames Web Space Telescope (JWST)でのより詳細な惑星大気の観測に適していると強く期待されています。このような スーパーアースの惑星大気観測は、地球型惑星(岩石惑星)と木星製のようなガス惑星の境界に位置するスーパーアースがどのような大気構造及び内部構造を持っているかに迫る鍵とも言え、その意味でこのGJ9827惑星系は非常に有望な惑星系ということが言えます。

(Yuta Notsu)

GJ 9827 cについてもっと知りたい方は、以下のデータベースページをご覧ください。

GJ 9827 c (exoplanetkyoto.org)

(Imaginary Picture of GJ9827 c: Ryusuke Kuroki, Fuka Takagi & Yosuke A. Yamashiki)

ジャーナル記事

1.) A System of Three Super Earths Transiting the Late K-Dwarf GJ 9827 at 30 pc

2.) Mass determination of the 1:3:5 near-resonant planets transiting GJ 9827 (K2-135)

3.) HD 106315 and GJ 9827: Understanding the Formation and Evolution of Small Planets

 

WEB記事

1.) Planet GJ 9827 c

2.) THREE POSSIBLE SUPER-EARTHS DISCOVERED AROUND NEARBY SUN-LIKE STAR

3.) Planetary System GJ 9827, Secrets Of Far-Away Super-Earth

Pi Mensae b,c

<Pi Mensae b>  楕円軌道を持つスーパージュピター
<pi Mensae bの想像図 滋賀県立守山中学高等学校ハビタブル研究会 横山 恵美>

太陽の2.1倍の半径をもつとされる主星Pi Mensae (HD 39091)星には、合計二つの太陽系外惑星が発見されており、最初に発見されたのは、2001年に発見されたPi Mensae b (HD39091b)です。この惑星は、質量が木星の10.02倍と考えられており、かつ楕円軌道で中心星から1-5天文単位という、ちょうど金星相当軌道の内側からハビタブルゾーンの外側を2093日かけて周回する惑星です。なお、Pi Mensa bの半径はまだ正確には観測されていません。

(文責:山敷庸亮)

Pi Mensae b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/pi_Men_bJP.html

<pi Mensae b (HD 39091 b)の楕円軌道(紫色)と、Kopparapu et al. 2013によるハビタブルゾーン位置>

<pi Mensae bの想像図 exokyoto system automated selection, – © 2018 ExoplanetKyoto – Ryusuke Kuroki, Yosuke A. Yamashiki and Natsuki Hosono>

<pi Mensae cの想像図 exokyoto system automated selection,© 2018 ExoplanetKyoto- Ryusuke Kuroki, Yosuke A. Yamashiki and Natsuki Hosono>

Pi Mensae c (テーブルさん座π星c) は、太陽よりもやや大きくて明るい G 型星である Pi Mensae の周りを回る、地球の約2倍の半径を持つスーパーアースサイズの惑星です。この惑星の存在は2018年9月16日の arXiv で最初に報告されており、太陽系外惑星探索衛星 TESS によって発見された初めての系外惑星となりました。なお、Pi Mensae の周りには 2001 年にすでに木星の10倍の質量を持つ Pi Mensae b が発見されています。

<左から(1)太陽とpi Mensae (HD 39091) (2) 木星、(3) 海王星、(4) 地球とpi Mensae cとの比較>

Pi Mensae c は、サイズに対して質量が小さく、地球よりも低密度な惑星だと推定されています。そのため、大量の水を持っている惑星、あるいは分厚い大気を持っている惑星であると考えられています。また中心星からの距離は、太陽から水星までの距離の 1/50 程度しかないため、表面は高温で水が蒸発し続ける環境になっていることが推測されます。

<pi Mensae c (HD 39091 c)の軌道と、暴走温室限界線(緑)>

ちなみに Pi Mensae c は地球から 60 光年ほどの距離にあり、視等級は 5.67 等級であるため、非常に暗い環境下であれば地上から肉眼でも見ることのできる恒星です。もし南半球を旅されてこの星を実際に見ることができた際には、ぜひ「あの星の周りにはスーパーアースが回っているんだよ!」と周りの人に教えてあげましょう。

(文責:佐々木貴教)

Pi Mensae cについて詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/pi_Men_cJP.html

ちなみに、Mensaというのは日本語で「テーブルさん座」と定義されていますが、そもそもテーブルさんって何か知っていますか?テーブルさんとはテーブル山、すなわち、Table Mountain (ラテン語ではMons Mensae ), 南アフリカケープタウンにある、街を見下ろす素晴らしい台地状の山で、喜望峰周辺部の特徴的な地形です。フランスの天文学者ニコラ=ルイ・ド・ラカーユ(Abbé Nicolas-Louis de Lacaille)が設定した南天の14(12)の星座の一つです。

テーブルさん(Table Mountain) の写真を参考までに掲載します。

<Mons Mensae – Table Mountain, photo taken by Yosuke A. Yamashiki in 2000, © 2018 ExoplanetKyoto>>