Wolf 1061 c

Wolf 1061 c は、太陽系から 14.0 光年( 4.29パーセク)離れた恒星Wolf 1061 を周回する系外惑星で 2015 年に公開された. 恒星 Wolf 1061 は視等級 10.1, 絶対等級 11.9 である. この恒星は太陽の 0.2 倍の質量で、 半径は太陽の0.3 倍であり 表面温度は 3342 ケルビンで、スペクトル型は M3Vである。 この恒星の惑星系で Wolf 1061 c は、恒星 Wolf 1061 のまわりを 公転周期17.9 日で、軌道長半径 0.09 天文単位 ( 13,314,210.5 km)で公転している。

Wolf1061地球から蛇使い座、14光年の位置にあり、太陽に比べ、半径、質量ともに約3分の1と小ぶりな星になっています。表面温度も約3000度と、太陽の約5500度と比べて低くなっています。恒星は、大きくなればなるほど一般的に寿命が短くなってしまいますから、wolf1061は我らが太陽よりもずっと長生きであると予想されます。Wolf1061は今までの観測で三つの惑星を持っていることが観測されています。Wolf1061cはそれら三つの惑星のうち内側から二つ目にある惑星のことを指します。この惑星は質量が3.4倍あるスーパーアースに分類されます。HARPSによる観測により2015年に発見されました。HARPSとはヨーロッパ南天天文台が運用するチリのラ・シヤ天文台にある3.6m望遠鏡に設置された太陽系外惑星を見つけるための分光器のことです。この装置では恒星のスペクトルに現れる光のドップラー効果を測定し、惑星の公転が引き起こす恒星の動きから惑星を発見しています。この測定法を視線測度法といいます。
さて、このように発見されたwolf1061cですがこの惑星は地球-太陽間の距離の十分の一の地点を約18日周期で公転しています。この位置は液体の水が存在できるハビタブルゾーンにはいります。また、この惑星は現在発見されたハビタブル惑星の中で3番目に地球から近くなっています。(2019年1月現在)このようにかなり近い部類のハビタブル惑星なので遠い将来人類が初めて移住する太陽系外惑星になるかもしれませんね。
(大山 航)
参考文献

http://phl.upr.edu/projects/habitable-exoplanets-catalog

http://newt.phys.unsw.edu.au/~duncanw/Wolf1061.pdf

Wolf 1061 c について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Wolf_1061_cJP.html

投稿者: exoplanetkyo