Kepler-296 f

7月 6, 2018 系外惑星の紹介

Kepler-296f は 2014 年に NASA によるケプラーミッションによって発見されたと発表さ れた 715 個の系外惑星の一つです。(1)今現在約 4300 個の系外惑星が発見されているため その約 6 分の 1 がここで発見されたことになります。その中でも Kepler-296f はハビタブル ゾーン(液体の水が存在し、地球型生命が存在する可能性があるとされる範囲)内に存在して いると思われ注目を集めました。発見論文の中にハビタブルゾーンにあるであろう惑星に ついて論じられており、Kepler-296f を含め6つ(新規に発見された惑星は4つ)の惑星が取 り扱われています。(2)また、この発見においては新たな方法が使われました。これは従来 から用いられてきたトランジット法に加えて、偽陽性(惑星があるような観測結果が出たが、 それは実際には別の要因によって引き起こされたもので惑星が本当は存在しない場合)を除 外するためのプロセスを導入したものです。これはある一つの恒星について何個惑星らし いシグナルが出ているかをもとに考察したもので、複数のシグナルが得られた場合より本 当に惑星がある可能性が高いとされています。

さて、Kepler-296fの主星である Kepler-296 の恒星系では Kepler-296f以外にも Kepler- 296 b~e が見つかっており、現在計 5 つの惑星が属しているとされています。Kepler-296 はスペクトルタイプが M2 V、質量は太陽の 0.626 倍、半径は太陽の 0.595 倍で(4)、地球か ら約 220 パーセク離れたところにある恒星です。

Keple-296fは主星から約 0.25~0.28AU の距離を公転する、半径が地球の約 1.79 倍の惑 星です。(1)主星の表面温度が約 3800K(4)と太陽(5778K)よりも低いため、Keple-296fは 地球よりも主星に近い距離ではありますが、上で書いた通り液体の水が存在する可能性が 高いハビタブル惑星になります。同じ研究によって発見された 700 個あまりの惑星のうち、 ハビタブルゾーンに属していると考えられているのはわずか 4 個ですのでかなり稀少な存 在といえます。

(大山 航)

Kepler-1649cについてのより詳しいデータは以下のデータベースページをご参考に。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-296_A_fJP.html

参考文献
(1) “NASA’s Kepler Mission Announces a Planet Bonanza, 715 New Worlds”. NASA Ames

Research Center.

http://web.archive.org/web/20200513082538/https://www.nasa.gov/ames/kepler/nas as-kepler-mission-announces-a-planet-bonanza/

(2) F. Rowe, Jason et al. (2014). “Validation of Kepler’s Multiple Planet Candidates. III. Light Curve Analysis and Announcement of Hundreds of New Multi-planet Systems”. https://arxiv.org/abs/1402.6534

(3) “NASA EXOPLANET ARCHIVE Kepler296f”. NASA EXOPLANET SCIENCE INSTITITUE

(4)Cartier et al. (2015).” Revision of Earth-sized Kepler Planet Candidate Properties with High-resolution Imaging by the Hubble Space Telescope” https://arxiv.org/pdf/1407.1057.pdf

投稿者: exoplanetkyo